キミスイのアニメ版

 「君の膵臓をたべたい」の実写版をテレビで見た時は「これで満足。最近の週末はわりと忙しいし、アニメ映画は見なくていいや」と思ったのですが、結局、行ってしまいました。

 アニメも実写も、「ファンタジーだなぁ」と感じたのは同じですが、そのポイントはちょっと違います。

 実写いちばんのファンタジーは、ヒロインがクラスの人気者だと明言されていた点。
 不治の病でもうすぐ死ぬのが確定しているのに、そんなに明るく居られるとは思えません。
 病気を伏せて普通の高校生活をするのはわかりますし、美人なのは病気と無関係ですが、「美人で明るいクラスの人気者」は、ちょっとムリがあると思います。
 この点、アニメでは、人気者なんだろうなという雰囲気で描きつつも、その点を明言してはいなかったと思います。

 アニメいちばんのファンタジーは、花火の穴場。
 人の少ない花火観賞ポイントはあるでしょうが、あれだけ規模の大きい花火大会に「誰も来ない、二人だけの観覧ポイント」が存在するとは思えません。
 あそこ、公園の展望台ですよね??

 そのほかにも、「現実にコレはないよね」と思ったのは、まず、博多旅行シーン。
 彼女は最初から泊まりのつもりでしたが、彼の中では日帰りのお出かけ。
 なので、着替えを博多で買ったわけですが・・・シティホテルに泊まるんだから、パジャマがわりの室内着は不要でしょう。
 さらに、アニメでも実写でも「酒」と明言こそしてないものの、どう考えてもお酒飲んでます。
 アニメでは、ヒロインがコンビニに買いに行ってました。
 イマドキの作品で高校生飲酒があること自体が驚きです。よく、関係者筋が許したと思います。
 それに、あのシーン、お酒があったほうが自然にはなりますが、必ずしも飲酒する必要を感じませんでした。

 不治の病を抱えた少女が明るく日常をすごしている、っていう設定自体が現実には限りなくレアなので、その設定の上に立つ高校生飲酒なら、フィクションとしてアリ・・・ということだったんでしょうか。
 そもそも、あの旅行の新幹線と宿代、彼女が全額払ったの・・・? って点は、アニメも実写も完全スルーでしたし。

 アニメの印象としては、表情や仕草などの演出が、ものすごく「アニメ的」でした。
 そして、声優専業ではない一般俳優のはずの主役が、本職に負けない演技力でアニメ世界を表現していました。

 あと、アニメで印象的だったのは、彼が恭子に共病日記を見せるシーン。
 視聴者は物語冒頭からもう100分にわたって、あるいは実際に劇場に来る前から、彼女が不治の病であることを知っていて、その前提で話を見ています。
 でも、恭子からみれば、彼女は事件に巻き込まれて思いがけず死んだわけです。
 突然死した17歳が遺書をのこしているということの不自然さ、だから恭子が驚いたんだということが、一瞬で正しく繋がりました。
 あのやりとりは上手かったと思います。

 物語の根幹である、彼女が彼に「日常」を求めていた点は、とても理解できます。
 目の前の17歳が不治の病だと知っていて、それでも構えずに接していける人は少ないでしょう。
 彼女は「親は、私が『死ぬ前にこれがしたい』と言えば、たいてい涙ぐんでOKする」と言ってました。
 それは本来あるべき親子関係ではないですし、友人関係がそうなってしまったら、それはもう対等な友人ではいられません。

 ただ、求められた彼のほうは、「何であんな暗いヤツが人気者の女子と一緒にいるんだ。ストーカーしてるのか!?」ということで、クラスメートはじめ多くの生徒から好奇の目で見られ、彼女の親友にはすごまれるし、元カレには殴られるし、いろいろ悲惨でしたけど。
 それでも彼女の秘密を守り通した彼、偉かったと思います。

 あと、実写を見てからアニメを見るまでの間に、アニメだけを見た人と話す機会があり、その人は「主人公は、星の王子様を読んだことがあったのかもしれない。読書家だし」と言ってました。
 私はその時、実写の印象で「たしかに有名作品だけど、彼の読書傾向とはちょっと違ってそうだし、既読かどうかは微妙」と答えました。
 でも、アニメ版では、たしかに彼は読んでいたか、読んでいなくてもあらすじが頭に入っている程度には作品を知っていた気がします。
 ヒロインから星の王子様の話を知っているか聞かれたとき、答えるまでに微妙な間がありましたし、答えたときのニュアンスも微妙な感じでしたし、何より、もし彼が未読(あるいは、あらすじを把握してない)なら、本を借りた後、もっと早く読んだのではないかと思うからです。

 それにしても、「星の王子様」。
 彼が「これが有名作品だと知らない時点で、読書に詳しくないことがよくわかる」みたいに言った時は、思わずスクリーンに向かって頷いてしまいました。

 君の膵臓をたべたい。
 現実にはいろいろ無理があるファンタジーだとは思いますが、良いファンタジーでした。
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千暁@ちあき

Author:千暁@ちあき
一発変換できる名前ではないので、平仮名で「ちあき」と呼んでください。

アニソンが好き、ラノベが好き、お酒やスイーツも好き、水族館も好き、散歩も好きです。

このブログには、日常の中にある「好き」を集めてみました。

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